都市再生特別措置法とは

都市再生特別措置法とは

都市再生特別措置法とは、近年における急速な情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に対し、国内の都市が十分対応できたものとなっていないことを鑑みて、これらの情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図ることと、都市の防災に関する機能を確保するため制定された法律です。 不動産の重要事項説明において、売買する不動産が都市再生特別措置法の対象となる場合は、その旨の説明をする必要があります。重要事項説明が必要になるのは、都市再生特別措置法で定められる、都市再生緊急整備地域内の都市再生歩行者経路協定・退避経路協定・退避施設協定・管理協定区域内、立地適正化計画区域内の居住誘導区域外・都市機能誘導区域外、特定用途誘導地区内等に該当する場合です。 都市再生特別措置法で特に重要事項説明に関わるのは立地適正化計画と都市機能誘導区域・居住誘導区域です。

立地適正化計画とは

立地適正化計画とは、都市再生を図るために居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等のさまざまな都市機能の誘導するために作成されるマスタープランです。都市再生特別措置法に基づき、市町村が作成します。
立地適正化計画では、 ・居住を誘導すべき区域(居住誘導区域) ・居住誘導区域外からの移転を支援する措置等 ・医療施設、福祉施設、商業施設などの都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域(都市機能誘導区域) ・都市機能増進施設の立地を図るための事業や支援措置等 などが定められています。
なお、都市機能誘導区域は、居住誘導区域内に定められます。

都市機能誘導区域

都市再生を図るため、医療施設、福祉施設、商業施設などの都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域として立地適正化計画で定められる区域のことです。都市機能誘導区域では、区域ごとに、立地を誘導すべき都市機能増進施設(誘導施設)および誘導施設の立地を図るための事業などが定められます。また、区域内で民間事業者が誘導施設等を整備する事業を行なう場合には、事業計画の認定を受けて、民間都市機構の出資などの支援を得ることができます。

居住誘導区域

都市再生を図るため、居住を誘導すべき区域として立地適正化計画で定められる区域のことです。居住誘導区域内においては、居住環境の向上、公共交通の確保など居住を誘導するための措置が講じられます。

居住誘導区域外における必要な手続き

立地適正化計画の区域のうち居住誘導区域外の区域において、①開発行為(戸数が3戸以上または規模が0.1ha以上)であって、住宅その他、人の居住の用に供する建築物(住宅等)のうち市町村の条例で定めるものの用に供する目的で行うもの、②3戸以上の住宅等の新築や改築、または建築物の住宅等への用途変更を行なおうとする場合には、行為着手の30日前までに市町村長に届け出なければなりません。また、届出に係る行為が住宅等の立地誘導に支障がある場合には、市町村長は立地適正化のための勧告をすることができます。

土砂災害区域や家屋倒壊等氾濫想定区域に該当している場合の注意点

居住誘導区域内であっても、土砂災害警戒区域等(いわゆるレッドゾーンやイエローゾーン)や家屋倒壊氾濫想定区域に該当している場合、「居住誘導区域外」として取り扱われる場合があります。各行政によって、考え方が異なるため、不動産調査の際に各行政の窓口やホームページで調べる必要があります。