準都市計画区域

準都市計画区域の目的と特徴についいて

準都市計画区域と聞いて何をイメージしますか。
頭文字に「準」が付いているから、「都市計画区域と姉妹関係にあるの?」と考えている方がいましたら、半分は正解といえるでしょう。
なかには、都市計画区域はよく耳にするけれども、準都市計画区域は初めて耳にしたという方もいらっしゃるかもしれません。
大切なことは、準都市計画区域も都市計画法における区域の一つだということです。
ここでは、準都市計画区域の目的や特徴などについて解説します。
 

1.準都市計画区域とは?

都市計画法における区域の一つで、現に、都市計画区域外にあり、かつ都市計画地域の要件は満たしていないが、将来的に市街化の進行が見込まれる区域の土地利用を、あらかじめ規制することにより、無秩序な整備・開発を防止するために都道府県知事が指定する区域のことをいいます。
このように、準都市計画区域とは、土地利用を規制することを目的に、2000年(平成12年)に法律により制定されたものです。
ただし、指定後に、準都市計画区域全部が都市計画区域として指定されれば、準都市計画区域としての効力を失い手続きを経ることなく指定が取り消されます。
 

2.指定までの手続き

準都市計画地域は、次の手続きによって指定されます。
(1)都道府県は、指定に当たっては関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない
(2)都道府県知事が指定を行う
(3)指定は公告による
 

3.指定の要件とは?

都道府県知事が準都市計画区域と指定するための要件には次のようなものですが、全ての要件を満たし ている場合に限り指定されます。
(1)指定する場所は、都市計画区域外の土地であること
(2)現に、相当数の住居等、敷地の造成等が行われていること、または行われることが見込まれること
(3)そのままに放置していると将来の都市としての整備、開発、保全に支障が生じる恐れのあること
 

4.準都市計画区域に指定されると

準都市計画区域が指定されると、次のような土地の利用規制が適用されます。
(1)用途地域、特別用途地区、高度地区、特定用途制限地域、景観地区、風致地区、緑地保 保地域、伝統的建造物保存地区など8つの地域地区が定められます。
(2)開発面積が3,000平方メートルを超えるような宅地造成を行う場合は都道府県知事の許 可が必要になるなど開発許可制度が適用されます。
(3)建物の新築や増築、改築、移転を行う(増築、改築、移転の床面積が10平方メートル以 内のものを除く。)場合は、事前に建築確認を受けなければなりません。
また、準都市計画区域が指定されると、建ぺい率の制限・容積率の制限や接道義務など都市計画区域に準じた土地利用のためのルールが適用されます。
(4)都市計画区域では都市計画税が徴収されますが、準都市計画区域では都市計画税の徴収は ありません。
 

5.指定されるのは具体的にどういう場所なの

人々の暮らしの基盤となる都市地区は、都市計画区域に指定されているのが一般的です。
一方で、準都市計画区域は、生活の基盤となる地域でもやみくもに指定されるものではありません。
準都市計画区域指定のポイントは、開発がしやすい場所か、人が集まりやすいという点です。
たとえば、山の中や森野中など山間部で宅地開発がしにくい場所が指定されることありません。 また、自然公園法や森林法などすでに他の法令で規制されている地域も同様に指定されません。
指定されるのは、インターチェンジや観光地周辺など開発がしやすい場所で交通の便が良く、人々が集まりやすい地域が指定の対象であると考えてもいいでしょう。
 

まとめ

準都市計画区域の目的や特徴などに付いて解説してきましたが、お分かりいただけましたか。
都市計画区域と準都市計画区域と聞くと、いったいどう違いがあるのか迷ってしまいそうですが、少なくともお互いの制度の違いや特徴については、しっかりと押さえておきたいものです。
不動産用語は難しいと思われがちですが、しっかりとポイントさえ押さえておけば心配はありません。