特定防災街区整備地区

定義

特定防災街区整備地区は、密集市街地における特定防災機能の確保及び土地の合理的かつ健全な利用を図ることを目的とした区域のことを言います。密集市街地整備法の中で規定されています。

特定防災街区整備地区と都市計画法

特定防災街区整備地区は、都市計画法第8条第1項第5号の2で定められる地域地区の一種です。そのため、その内容は都市計画の内容として定められます。

特定防災街区整備地区の指定

特定防災街区整備地区は、防火地域または準防火地域のうち、特定防災機能を確保するための防災街区として整備すべき区域その他密集市街地における特定防災機能の効果的な確保に貢献する防災街区として整備すべき区域について指定されます。
密集市街地とは、老朽化した木造建築物が密集し、道路や公園などの十分な公共施設がなく、その他その区域内の土地の利用状況から特定防災機能が確保されていない市街地のことを言います。
防災街区とは、その特定防災機能が確保され、及び土地の合理的かつ健全な利用が図られた街区を言います。
街区とは、道路に囲まれた区域のことです。
特定防災機能とは、火事や地震が発生した場合に延焼防止及び避難確保されるべき機能を言います。

特定防災街区整備地区内の制限

都市計画では、特定防災街区整備地区内における制限が定められることになります。その具体的な制限内容は、建築基準法第67条の3において規定されています。制限内容は以下の通りです。
当該地区内にある建築物は、耐火建築物等又は準耐火建築物等としなければなりません。
建築物の敷地面積は、当該地区に関する都市計画において定められた建築物の敷地面積の最低限度以上でなければなりません。
建築物の壁又はこれに代わる柱は、当該地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分を除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはいけません。
当該地区内では、その敷地が防災都市計画施設に接する建築物の開口率(防災都市計画施設に接する割合)及び高さは、都市計画において開口率の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められた時は、それぞれ、これらの最低限度以上でなければなりません。
したがって、特定防災街区整備地区内では、建築物の種類、建築物の高さ、最低敷地面積、壁面位置、開口率等が定められ、建築物はその基準を満たす必要があります。

特定防災街区整備地区の機能

防災街区には救急車や消防車が通行できるような防災上有効な道路が存在するため、火事や地震などの災害時に延焼を防止したり、避難経路を確保したりすることができるという機能があります。
特定防災街区整備地区では、防災街区内における延焼防止効果の高い建物の防災性能について基準を定め、また、敷地面積等に関する制限を定めることにより、避難路の機能を果たす建物の建築を誘導する機能があります。同時に、防災公共施設も整備することにより、周辺住民の生命・身体の安全を確保するという機能もあります。