契約不適合責任とは
家屋を購入する際、不動産業者と不動産売買に関する契約の締結を行います。
契約書のなかには保守範囲や双方への責任などが記載されています。
しかし、なかには契約書に記載されているにも関わらず、取り決めていた品質や数量が満たされていないことがあります。
そのような場合、何をすれば良いのでしょうか。
そこで今回は、契約不適合責任について、瑕疵担保責任との違いや期限、免責(責任をなしにすること)について解説します。
契約不適合責任とは?
契約不適合責任とは、売買や請負などによって引き渡された家屋が契約内容と異なっていた場合、購入者が売主に対して負担する法的責任のことを指します。
売主に責任が発生する場合は、下記のように「種類」「数量」「品質」が実物と契約書に記載された内容が異なっていたときです。
種類
別注で依頼した扉ではなく、通常の扉が設置されていたなど、契約書と実物に記載されている納品物が異なる場合が挙げられます。
数量
契約書に記載されている数量と、実物の数量が異なる場合に販売業者に責任が伴います。
たとえば、契約書上では3つとなっていたクローゼットが、2つだった場合などが挙げられます。
品質
契約書上では修繕により新品の素材を使用すると記載されていたにもかかわらず、中古の商品が使われていた場合などが挙げられます。
契約不適合者責任と免責について
契約不適合責任とは契約内容と家屋が違う場合、売主に責任を問うことができる、いわゆる購入者を守るものです。
しかし、売主の観点では責任が重くなり、場合によっては多額の損害賠償が請求されることがあります。そのため、不動産売買の実務においては、特に中古の一戸建てなどでは契約の「特約」として、予め契約不適合責任を「免責」とするケースが多いです。
ただし、例えば元々シロアリの害があることを所有者は知っているのに故意にそれを告げずに契約したなどの場合、そこについては免責とならない場合があります。
また、なんでもかんでも免責としておけば責任を免れるわけではありません。例えば宅建事業者が消費者に不動産を販売する場合、契約不適合責任を2年より短くする特約を設定することは宅建業法によって認められておらず、そのような条項があっても無効とされます。
宅建業法以外では消費者契約法でも、事業者と消費者との間の契約では、事業者側への損害賠償の全部を免除する特約は無効とされます。
不動産を売却する側も、特約に契約不適合責任を免責としておけば一切責任を問われることはないという認識は誤りなので、注意が必要です。