地積測量図とは
地積測量図とは?
ここでは地積測量図がどのようなものなのか解説していきます。
道路と隣接地の境界がはっきりしている土地の測量図
「地積」とは、土地の面積を意味する言葉です。つまり、地積測量図とは、簡単に言えば土地の測量図です。いくつかある地積測量図のうち、地積測量図は不動産登記法で「一筆の土地の地積を測量した結果を明らかにする図面で、法務省令で定めるところにより作成したもの」と定義されています。また、地図を描くための線の太さも決められており、公図となります。
この地図は、特定の土地の境界に関する登記情報が記載されているため、重要な意味を持ちます。道路や隣地との境界は、地積測量図上で決定・測量され、その結果は図面として記入され、土地登記簿に登録されます。
地平測量図は確定測量図と現況測量図と何が違う?
地積測量図に似た言葉が2つあります。「確定測量図(確定実測図)」と「現況測量図」です。確定測量図(確定実測図)は、地積測量図と同様に、境界が明確に定められています。また、土地の売買に利用することもできます。
違いは、地積測量図が法務局で誰でも入手できる公図であるのに対し、確定測量図は土地の所有者が土地家屋調査士に作成を依頼する測量図なので、土地の所有者しか持っていないことです。そのため、紛失した場合は新たに作成する必要があります。そもそも測量図を持つためには、土地の所有者が測量士に依頼して土地を訪れ、敷地内の形状や方角、水域や道路面積などあらゆることを考慮して正確な境界線を計測する必要があります。
どの測量士も、地積を測定する際には、場所の実地調査、依頼者の測量同意書の提出、航空測量の実施、法的文書やデータの収集など、詳細で段階的な計画を立てているはずです。地積測量が完了し、提出された後は、結果の正確性と完全性を確保するために、その正確性と網羅性を徹底的にチェックする必要があります。一方、現況測量図は、隣地との境界は隣地の所有者の承諾をとっていないため、極端な話、土地の所有者が土地家屋調査士に依頼して、「境界はここだろう」という推測に基づいて作成した測量図となります。
このタイプの調査は、完全な正式な分析が含まれているわけではなく、一般的に観察から土地の既存の特徴を示すことになります。ですから、土地の売買に現況測量図を使うのは、あまりお勧めできません。ちなみに、家を建てるときには建築確認申請が必要ですが、そのときには土地測量図、なければ確定測量図や現況測量図を代用することができます。
地積測量図が必要な3つの場面
ここからは地積測量図が必要な3つの場面について紹介していきます。
土地を売買したとき
土地の面積を正確に示すだけでなく、境界を明確にした地積測量図が必要です。境界が曖昧だと、後々トラブルが発生し、買い手と売り手の双方が将来的に所有権をめぐる争いにさらされる可能性があります。地積測量図がない場合は、土地の売主の責任で作成することになります。同様に、境界が明確な確定測量図も、買主が既存の測量図の信頼性や正確性に問題がなければ、使用することができるでしょう。
土地を分けたり、複数の隣り合う土地を合わせるとき
一筆の土地は、相続等により2筆以上に分割され、2筆以上に分割された場合に合筆登記がなされます。この分筆登記をする際には、相続財産の安定を図るため、地積測量図を作成する必要があるでしょう。この地積測量図は、分割時の敷地の境界を正確に描くことができる公認の測量士や建築士の立ち会いのもとで作成されます。
さらに、土地の相続人と隣人との間で、敷地境界を変更した場合に誰が責任を負うかなどの内容を盛り込んだ合意書を作成する必要があります。いずれにしても、境界が曖昧なまま土地を分割して相続してしまうと、後で隣接地の所有者とトラブルになったときに、資産ではなくトラブルを相続したようなことになってしまうかもしれません。
道路や水路を払い下げてもらうとき
道路や水路は公共の財産ですが、時代の変化により、ある時期だけ隣接する土地の所有者が利用する道路や水路もあります。そのような場合、「分譲」が認められることがあります。その場合は「分筆」が認められ、新たに土地の登記をする必要があり、地積測量図を作成する必要があります。
まとめ
本記事では地積測量図に記載される項目や、確定測量図との違いについてお話してきました。不動産取引の際、土地の正確な境界を知ることは重要です。土地の種類や証書によっては、土地が細分化され、以前の証書から古い境界線が残っている場合、ハードルが高くなることがあります。将来、当事者間で紛争になった場合、元の境界線を探し出すのに時間がかかり、その間に不動産取引を中断せざるを得なくなることもあるでしょう。
後でトラブルを起こさないためにも、土地の境界は最終的な測量図まで作成し、保管しておくのが無難です。スムーズな取引のために、この記事を参考に、地積測量図と確定測量図の違いを事前に理解しておいてください。