通し柱とは

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木造建築にお住まいの方は、日々さまざまな柱を目にして生活を送られていると思います。 それぞれに役割がありますが、そのなかのひとつに「通し柱」と呼ばれるものがあります。 通し柱にはどのような役割があり、そもそも木造建築に必要なのでしょうか? そこで、今回は通し柱の役割や耐震性、必要性についてご紹介します。

通し柱とは?

通し柱とは、2階以上の木造建築の柱のうち、1本で土台から軒まで通っている柱を指します。 通常は建物の四隅など、建物の構造で重要な位置に使われることが多く、従来の建築技術においては建物の耐震性や耐久性を高めるために用いられます。 建築基準法において通し柱は、2階以上の家屋を建てる際には四隅に通し柱を使用することが定められています。 一般的に通し柱は四隅に用いられることから、4本使われることがあります。 しかし、複雑な構造の建物の場合、耐震性や耐久性を向上させることを目的として4本以上用いられることがあります。 戦前の建築技術ではこのように定められていましたが、素材や建築技術の向上に伴い、現在では壁の厚みを一定にするため同じ寸法の建材で揃えられるようになりました。 また、通し柱は柱と柱の接合部を職人が削り、組み合わせていたことから、接合部がほかの箇所と比べて脆くなる点が課題でした。 そのため、現代の建物には通し柱が使われていないものもあります。

通し柱に求められる耐震性

通し柱を使用することで耐震性が向上するため、四隅だけではなくさまざまな箇所に使われることがあります。 しかし、通し柱は多いほど良いというわけではなく、最適な本数を使うことが重要です。 通し柱の本数を考える際、「断面欠損」についても考える必要があります。 断面欠損とは柱の断面に付けられたキズや穴を指すものです。 たとえば、ほかの柱と接合するために付けられた穴や、資材をはめ込むために付けられた凸凹も断面欠損に含まれます。 そのため、断面欠損の数が多いほど耐震性は下がり、建物の強度が下がってしまいます。 そこで、近年では断面欠損を最小限に防ぐ金物が採用されたり、そもそも通し柱を使用しない家屋も増えてきています。

通し柱は必要?

結論として、柱の接合部に通し柱と同等の耐震性、耐久性がある家屋の場合、通し柱は不要です。 こちらは建築基準法施行令第43条5項2に定められており、通し柱を使わず、梁で分断された柱は「管柱(くだばしら)」となり、継ぎ手部分を金物で接合します。 しかし、先述の通り通し柱に金物を使用することで断面欠損が多くなり、結果建物の耐震性が下がってしまいます。 また、近年の建築技術や資材の技術は以前と比べて進歩していることから、一定以上の条件を満たすことで通し柱を使わなくてもよくなりました。 下記、通し柱を使わない建築工法です。

金物工法

金物工法とは、梁と柱を金属プレートやドリフトピンで固定する工法で、断面欠損を減らし、強度を保ちながら接続できる点が特徴です。 また、柱に設置する金属プレートに穴を空けておくことで、柱に穴を開けずに接合が可能となります。

ホールダウン金物を使う金物工法

ホールダウン金物とは、地震などによる揺れが発生した際、柱が土台や梁から抜けないように固定する金物の事です。 こちらは従来の法律では任意でしたが、2000年の法改正によって設置が義務付けられるようになりました。

まとめ|通し柱の有無にかかわらず耐震性が高い住宅を建ててもらおう

今回は通し柱についてご説明しました。 通し柱とは、一般的な建物の四隅に使われる、耐震性や耐久性の向上を目的とした柱です。 近年では建築技術や素材の技術が向上したことにより通し柱は必ず使われるものではなくなりました。 また、通し柱は数が多いほど良いというわけではなく、数が多すぎると断面欠損が増加することにより耐震性が下がってしまいます。 そのため、新築を建ててもらう際は通し柱の有無や、耐震性などについて確認しておきましょう。