共聴ケーブルとは

テレビ共聴設備としての共聴ケーブル

マンションなどの中高層集合住宅においてテレビを見るためには、共通のアンテナでテレビ電波を受信し、有線ケーブルを使用して各世帯へと放送を送ることになります。テレビ配線の際に使用される有線ケーブルのことを共聴ケーブル(または同軸ケーブル)と言います。有線ケーブルでテレビの配線をすることから、ケーブル方式と呼ばれています。

ケーブル方式の仕組み

ケーブルテレビ会社のアンテナでテレビ放送の電波を受信し、最寄りの電柱に新設された分岐器(タップオフ)からケーブルで引き込み、保安器を経由してマンションまで引き込まれた電波を各部屋まで送信します。
流れとしては、以下の通りです。
 
  1. ケーブルテレビ会社が受信した電波を信号に変換します。
  1. 信号を電柱に敷設された分岐器(タップオフ)からケーブルで引き込みます。
  1. 保安器から共用のアンテナに信号が送られ、同軸ケーブルを通じて増幅器(ブースター)や分配器などを経由し、各世帯のテレビ端子に信号が届きます。
 
このうち、保安器とは、落雷などでケーブルに異常電圧がかかったときに周辺機器を保護するものを言います。
増幅器は、配線が長かったり、信号の分配数が多かったりすると次第に信号が弱まるため、これにより増幅するための機器です。
分配器は、テレビ信号を周波数を買えずに同じレベルで複数に分けるための機器です。各系統・各部屋に分配します。
テレビ端子は室内までに届いた信号を取り出す機器で、ケーブルでテレビとテレビ端子を接続することでテレビが映るという仕組みです。

共聴ケーブルを使用するメリット・デメリット

共聴ケーブルを使用するメリットとしては、安定した放送受信が可能であるという点があげられます。マンションの隣に高層マンションが建っても電波受信に影響がなく、また、台風や雪害などの異常気象の影響を受けないため、放送受信が安定しています。  他方、デメリットとしては、月額の利用料金が発生するという点があります。また、エリアによってはサービス対応がないためにケーブルテレビを導入できない可能性もあります。

共聴ケーブルの構造

共聴ケーブルは、テレビの配線に用いられるような高周波用のケーブルの一種です。 内部構造は主に4層となっています。具体的には、内側から外側、内部導体(銅線)から絶縁体(発泡ポリエチレン)、外部導体(網組シールド)から外部被覆(ジャケット)という構造となっています。軸について同じ円筒が重なっているため、同軸ケーブルとも呼ばれています。

共聴ケーブルの太さと特徴

ケーブルは太さによって用途が異なります。 細いケーブルは硬くないため、素人でも使いやすいです。必要に応じて断線するのも容易となります。しかし、ケーブルが長くなると受信可能な電波量が減少してしまいます。 他方、太いケーブルはある程度の硬さがあります。断線しにくく、曲げにくいのが特徴です。細かな配線には向いおらず、素人が扱うのは難しいです。しかし、耐久性が高く、効率よく電波を受信することが可能となっています。

共聴ケーブルの太さ別の用途

したがって、ケーブルの太さ毎の用途としては、次のことが言えます。 すなわち、最も細い3Cのケーブルはテレビ周辺の配線に向いており、最適な長さは1~5m程度と言えます。中くらいの4Cのケーブルは室内の配線に向いており、最適な長さは5~15m程度となります。最も太い5Cのケーブルは屋外の配線に向いており、10m以上で用いる場合に最適です。