個別浄化槽とは

浄化槽とは

浄化槽とは、公共下水道の処理区域外のうち、地方公共団体が指定した区域等において、原則、居住用の一戸建を水洗便所にする際に微生物の働きなどを利用して汚水を浄化するために用いる汚水処理装置のことです。
各戸別に設置する個別式と、分譲団地等における処理場一括の集中式とがあります。
集中式の場合は、不動産売買の際に維持管理費の調査も必要になります。また、個別浄化槽で処理した排水の放流先は、暗渠(あんきょ)排水、水路、側溝等へ放流する場合と、放流先が未整備のため宅地内で処理する浸透式の場合とに分かれるため、不動産売買の際は放流先の状況に応じて調査し、説明する必要があります。
なお、個別浄化槽は、専門業者による年1回・2回の清掃が必要です。保守管理の状況・費用については、「浄化槽保守点検業務記録」等で確認してください。

浄化槽の種類

個別浄化槽(単独処理浄化槽)

し尿などの水洗便所からの汚水の処理のみに対応している浄化槽のことを指します。単独処理浄化槽の場合、生活雑排水については処理をしないまま放流するため、水路や河川・海の汚染の原因にもなります。平成12年6月2日(平成13年4月1日施行)の浄化槽法の改正では、水質を守るために新たに設置する浄化槽は合併処理浄化槽のみとし、既設の単独処理浄化槽は合併処理浄化槽への転換に努めるものとされました。

合併処理浄化槽

汚水と生活雑排水等を合わせて処理する浄化槽のことを指します。仕組みは下水道とほぼ同じで、維持管理をきちんと行えば、下水道と同等の処理性能を得ることもできます。

個別浄化槽がある物件の売却手順

浄化槽が既設されているの物件の売買取引をする場合、下水道が整備されているか否かによって手順が異なります。

下水道が整備されていない場合

物件の買主が購入した後もそのまま生活できる状態にしておけるように、浄化槽は残したままで物件を売却することになります。 ただし、浄化槽の耐用年数は基本的に20~30年程度となるため、それを超える場合、交換が必要です。そのため浄化槽が設置されてから30年を超えるような物件の売買取引をする場合は、既設の浄化槽の経年劣化があり、交換必要の可能性が出てくる旨を双方が認識しておくことが重要です。

下水道が整備されている場合

対象物件の存する地域がすでに公共下水が開始されている場合、下水道の供用開始の告示がされてから3年以内に、汚水の処理について公共下水へ変更しなければなりません。そのため、まだ公共下水への切り替え工事が完了していない場合は、売買契約前に公共下水への接続工事費や受益者負担金等の負担についても取り決める必要があります。