壁芯とは

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マンションを購入する際、面積を知っておくことで入居時に発生する固定資産税や都市計画税などを概算することができます。
しかし、具体的にどの面積を知れば良いのかが分からないといった方もいらっしゃると思います。
そこで、今回はマンションの十戸の測り方のひとつである「壁芯」について解説します。

壁芯(へきしん)とは?

壁芯(へきしん)とは、壁のなかの中心線を想定し、その中心線に囲まれた面積を指します。
区画建物の専有部分の登記簿において面積を表示する際に使われる壁芯は、壁の厚さを考慮するため、パンフレットやチラシに記載されている面積よりも少し大きくなります。
壁芯は建築基準法上で「建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による」と定義されていることから、設計時や建築時に使われる指標です。
 

壁芯の求め方

たとえば、下記の条件の場合、壁芯はどのように求めるのでしょうか。
部屋の幅:5m
部屋の奥行:8m
壁の厚さ:0.2m
 
まず、壁芯における部屋の幅は下記のようになります。
0.2m+5m+0.2m=5.4m
こちらの式では、左側の壁の厚さの半分+部屋の幅+右の壁の厚さの半分を合計しています。
 
同様に、壁芯における部屋の奥行を求めてみましょう。
0.2m+8m+0.2m=8.4m
こちらから、壁芯における面積は下記のようになります。
5.4m×8.4m=45.36㎡
 

内法(うちのり)との違い

壁芯以外に住戸の面積を図る方法には、内法(うちのり)と呼ばれるものがあります。
壁芯は壁の厚みを考慮するのに対して、内法は壁の厚さを考慮せず、床面積のみを考慮します。
物件の購入者が内覧に訪れた際、家具の大きさや配置を確認するため、一般的に内法は不動産業者が使います。
マンションやアパートといった、独立した物件を指す「区分所有建物」の登記を行う際は、この内法が使われています。
区分所有建物において、それぞれの居住者が生活するスペースを専有部分と呼び、内法はこの専有部分に該当します。
 

内法の求め方

壁芯のように、内法も下記の条件で算出してみましょう。
部屋の幅:5m
部屋の奥行:8m
壁の厚さ:0.2m
 
まず、内法における部屋の幅は壁の厚さを含めないため、そのまま5mとなります。
同様に、部屋の奥行は8mであることから、内法は5m×8m=40㎡となります。
壁芯の場合は45.36㎡で、内法は40㎡だったことから5.36㎡ほど壁の厚さが含まれていることがお判りいただけると思います。
 

壁芯と税制優遇措置や減税措置の関係性

壁芯と内法で注意するポイントは、税制優遇措置と減税措置です。
住宅ローン控除や不動産取得税、登録免許税の軽減措置を受ける場合、事故居住用と床面積が40㎡以上であることが条件として定義されています。
ここで言う床面積は、戸建ての場合は壁芯、区分所有建物の場合は内法を対象とします。
いずれも、登記面積が40㎡未満だった場合は控除を受けられないため、ギリギリの大きさの物件を購入する際は注意しましょう。
 

まとめ|物件の購入前に壁芯を知っておこう

今回は、壁芯や内法についてご説明しました。
壁芯は壁の厚さを考慮した床面積で、内法は壁の厚さを考慮しない床面積を指します。
税制優遇措置や減税措置を受ける際、戸建ては壁芯、区分所有建物は内法を対象となります。
そのため、床面積が40㎡ギリギリの物件の場合、壁芯・内法のいずれかを満たさないことがある点には注意が必要です。
戸建てやマンションといった物件を購入する際は、不動産業者にどの床面積を指すのかを確認しておきましょう。