流通業務市街地整備法

流通業務市街地整備法とは

この法律は、都市における流通業務市街地の整備に関し必要な事項を定めることにより、流通機能の向上及び道路交通の円滑化を図り、もって都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的としています。
流通業務市街地とは、流通業務施設(トラックターミナル・鉄道の貨物駅・卸売市場・倉庫その他流通業関連の事務所や店舗、一定の工場など)が1か所に集中された地区のことを言います。
都市部に流通機能が集中するとトラックやトレーラーが集まり、道路交通の混雑が引き起こされ、流通業務の低下につながる恐れがあります。そこで、流通業務施設を適度に分散・再配置することにより都市交通の緩和と流通機能の向上を図るとともに、地域開発の拠点となるよう一体的に整備する法律がこの流通業務市街地整備法です。

流通業務地区について

流通業務地区の指定

幹線道路、鉄道等の交通施設の整備の状況に照らして、流通業務市街地として整備することが適切であると認められる区域については、都市計画に流通業務地区として定めることができます。

流通業務地区内での制限行為

流通業務地区においては、誰でも流通業務施設以外の施設を建設・施設を改築・用途の変更をしてはいけません。ただし、都道府県知事等が流通業務地区の機能を害する恐れがないと認め、または公益上やむを得ないと認めて許可した場合には、建設等が許されます。
もし、これに違反して流通業務施設以外の施設を建設等した場合には、都道府県知事等は、その所有者または占有者に対して、相当の期限を定めて、その施設の移転・除却・改築・用途の変更をすべきことを命ずることができます。

流通業務団地造成事業について

流通業務団地造成事業とは

流通業務団地造成事業は、都市計画事業として地方公共団体または独立行政法人都市再生機構により施行される事業のことを言います。

工事について

施行者は、事業地の全部について工事を完了したときは、その旨を都道府県知事に届け出ます。都道府県は、その工事が施行計画に適合していると認めたときは、当該事業地について工事が完了した旨を公告します。

公共施設の管理

流通業務団地造成事業の施行により公共施設が設置された場合は、その公共施設は工事完了の公告日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属します。
流通業務団地造成事業の施行により従前の施設に代えて新たな公共施設が設置される場合には、従前の公共施設に用いていた土地で国または地方公共団体が所有するものは、工事完了の公告日の翌日に施行者の所有になります。

造成施設等の処分について

造成施設等及び造成敷地等の処分

施行者は、造成施設等をこの法律および処分計画に従って処分します。 造成敷地等については、その譲受人を公募します。公募による譲受人の条件は、①造成敷地等である敷地において自ら流通業務施設を経営しようとする者、②流通業務施設の建設および経営に必要な資力および信用を有する者、③譲渡の対価の支払い能力のある者となります。このすべてを満たす必要があります。

流通業務施設の建設義務

施行者から流通業務施設を建設すべき敷地を譲り受けた者は、施行者が定めた期間内に、流通業務施設の建設の工期、工事概要等に関する計画を定めて、施行者の承認を受け、当該計画に従って流通業務施設を建設しなければなりません。
施行者は、定めた期間内に承認を受ける手続きをせず、または承認を受けた計画に従って流通業務施設を建設しなかった者に対して、当該敷地の譲渡契約を解除することができます。

造成敷地等に関する権利の処分の制限

工事完了の公告の日の翌日から10年間は、造成敷地等または造成敷地等である敷地の上に建設された流通業務施設または公益的施設に関する所有権・地上権・質権・使用貸借による権利・賃借権その他の使用収益を目的とする権利の設定・移転については、当事者が都道府県知事の承認を受けなければなりません。