道路法

道路法

道路法と聞いて何をイメージしますか。
あるいは道路法と道路交通法の違いについて詳しく理解していますか。
実は道路法は建築基準法と密接な関係にあります。
ここでは道路法と道路交通法の違いについて簡単に解説するとともに、道路法と建築基準法における建築物のルールについて紹介します。

1.道路法とは

最初に道路法とはどういうものかについて解説します。
道路法は道路の整備や管理に関する事項を定めた法律です。
たとえば、道路の管理や整備はだれが行い、費用はだれが負担するのかというような維持管理のための責任の所在を明確にしたものです。
道路法は1952年(昭和27年)に制定されたもので、その都度、改定されています。

2.道路法と道路交通法の違いとは

道路法と道路交通法の端的な違いとは次のようなものです。

2-1.道路法

道路法が道路の整備や管理に関する法律であることは前項で述べましたが、道路法は交通の安全を確保し、道路の損傷を防止するための法律と考えればいいでしょう。
つまり、道路法は道路の危険を防止するための施設の整備や管理が中心となります。

2-2.道路交通法

道路交通法は、道路を利用する歩行者、自転車、自動車、バイクといった道路を利用する者の交通マナーを定めた法律です。
このように車両等の交通手段で道路を使用する際の行動やルールが中心となります。

3.道路の種類

日本の道路は公道と私道に区分されます。
公道には、国道、都道府県道、市町村道、高速道、自動車専用道路があります。
この中で全国主要な幹線道路として指定されているのが国が認定する国道や高速道等です。
また都道府県道や市町村道は地方自治体の知事や市町村長が認定した道路です。
実質上の道路の役割を担う道路の中に、林道や農道と呼ばれる道路も存在しますが、道路法の枠外にあり、農林水産大臣が管轄します。
一方、私道とは個人や法人が所有する道路であり、所有者は通行者を制限したり、許可したりできますが、清掃や補修などの管理や管理のための費用は所有者が負担します。

4.建築基準法上の道路とは

道路は、道路法以外でも建築基準法など複数の法律で定義されています。
そのなかでも、再建築不可物件などの建築物が制限される建築基準法には注意が必要です。
それでは、建築基準法上の道路についてはどのような関りがあるについて解説します。

4-1.接道の義務

建築基準法第42条1項では、建物の敷地は建築基準法上の道路と間口が2メートル以上接していなければならないという接道義務のルールがあります。
つまり接道義務に違反して、建物を新築したり増改築することはできません。
再建築不可物件の多くが、この接道義務に違反しているために工事が制限されています。
ただし、接道義務は満たしていても、その他の建築基準法の基準に達していない場合は、建物の新築や増改築ができません。

4-2.セットバック

建築基準法第42条2項では、道路の幅員が4メートル未満でも建築基準法上の道路とみなされます。これをセットバックと呼びます。
ただし、セットバックを行うには道路の幅員が4メートルとなるように私有地である敷地の一部を道路とするように提供しなければなりません。
このように道路法による道路も建築基準法が適用されます。

まとめ

道路法について簡単に解説しましたが、お分かりいただけましたか。
道路法と建築基準法は密接な関りがあります。
特に、建物を新築したり、増改築したりする場合には注意が必要です。