大規模災害からの復興に関する法律

大規模災害からの復興に関する法律

台風や地震と言った大規模な災害が起こるたびに復興のための再建策が声高に叫ばれる昨今です。
り災した被害地域では復興のための支援策は欠かせません。
台風や地震など自然災害に関する法律は、災害対策基本法、災害救助法などこれまでにもありましたが東日本大震災の教訓と課題を踏まえて「大規模災害からの復興に関する法律」が平成25年に制定されました。
ここではこの法律の概要と被災地として指定された地域における不動産への影響等について解説します。

1.法律の概要

「大規模災害からの復興に関する法律」とはずいぶんと長い名称ですが、 簡単に説明すると、大規模災害が発生したときに、被災地域での「生活再建」と「経済復興を」を迅速に図り、被災地での災害に対する安全な地域づくりを目的とするものです。
たとえば、ある地域で大規模災害が発生した場合は、政府が主導して復興対策本部を設置し、復興計画を作成し、復興に計画に関わる特定の措置等を決定します。
一方、大規模災害の被災地となった「特定被災市町村」では、法律を受けて復興整備事業実施区域の全部または一部の地域を「届出対象区域」として指定できます。
届出対象区域として指定するときは、内閣府令で定めるところにより公示します。

2.事業等行為の届け出

特定被災市町村により届出対象区域に指定されると、対象区域の土地で土地区画の変更、建築物の建築などを行う場合は、当該行為を着手する30日前までに特定被災市町村へそれぞれの行為につき届け出をしなければなりません。
届け出を行った後に、届け出事項を変更する時も同じです。

2-1.届け出が必要なもの

届け出対象区域では次のような行為を行う場合は届け出が必要です。
・土地の盛り土や切土により土地の形状を変更すること
・新築、増築、改築などの建築物・工作物の建築
・宅地以外の農地や山林を宅地にすること

2-2.届け出が必要ないもの

次に掲げる行為については届け出の必要はありません。
・国または地方公共団体が行うもの
・復興整備事業として行うもの
・非常災害のために必要な応急処置として行うもの
・通常の管理行為、軽易な行為、その他の行為であって政令で定めたもの

3.特定被災市町村かどうかが分からない場合は

特定被災地に指定された地域内の不動産取引を行う場合は重要説明事項の案件ですが、
説明の対象になるポイントは、特定被災市町村が「大規模災害復興法第28条1項」の規定により届出対象区域に指定しているかどうかです。
大規模災害復興法に基づく特定市町村かどうかを確認するには、内閣府のホームページで確認するか、ネットを検索して、「〇〇市町村 大規模災害復興法第28条 届出対象区域」と入力すれば大規模な災害を受けた地域かどうかが確認できます。
不動産取引では、重要なポイントですから注意が必要です。

まとめ

大規模災害からの復興に関する法律について簡単に説明しましたが概要はお分かりいただけましたか。
大規模災害を受け、特定被災市町村に指定された地域では、土地の区画事業や建築物の建築などの行為については、行為の開始前、30日以内に届け出が必要です。
また、不動産取引においては、指定された地域は重要説明事項の案件になることを理解しておきましょう。