古都保存法

古都保存法について

神社や寺院など歴史的な建造物の残る京都や奈良などの景観を守るための法律があります。
それが「古都保存法」です。
正式には「古都における歴史的風土を保存するための法律」といいます。
この法律が適用される地域については、建築物の新築、増築、土地の形質の変更、木竹の伐採などを行う場合には、予め届け出が必要です。
ここでは古都保存法の概要と適用される不動産の取り扱いなどについて簡単に解説します。
法律が適用される地域の不動産の売買などをお考えの方の参考にして下さい。

1.古都保存法の概要

この法律は、京都、奈良、鎌倉といった日本の代表的な古都の歴史的、伝統的風土を保全することを目的に1966年(昭和41年)に制定されました。
冒頭でも述べましたが、古都保存法の正式な名称は「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」です。(以後、古都保存法という。)
現在、法律の対象地域として指定されているのは、京都市、奈良市、鎌倉市、天理市や奈良県生駒郡斑鳩町、同県高市郡明日香村など8市、1町、1村です。
古都保存法では、指定された古都の歴史的風土を保全するために必要な土地を「歴史的風土保存区域」に指定します。その中でも特に重要な地区を「歴史的風土特別保存地区」に指定し古都の保全に当たっています。

2.指定地域での建築物の建築など届出・許可制度

古都保存法で指定された歴史的風土保存区域や歴史的風土特別保存地区では建築物の新築や土地の造成工事などを行う場合は、事前に届出や許可が必要です。

2-1.歴史的風土保存区域

この区域は歴史的風土を保存するために「国土交通大臣」が指定し、歴史的風土の保存に関する計画を策定します。
区域内での新築物の新築や土地の造成工事を行う場合には「府県知事(政令都市においては市町)への届出が必要です。
届出を行うのは次のような行為が該当します。
(1)建築物その他の工作物の新築、増築または改築など
(2)宅地の造成工事や土地の開墾その他土地の形質の変更など
(3)土石類の採取
(4)木竹の伐採
(5)その他歴史的風土の保存に影響を及ぼす恐れのある行為で政令で定めるもの

2-2.歴史的風土特別保存地区

この地区は歴史的風土保存区域を保存するための特別の地区として「府県知事(政令都市においては市町)が指定します。
地区内で建築物の新築や造成工事を行う場合は「府県知事(セ政令都市においては市町)の許可が必要です。
許可が必要なのは次のような行為が該当します。
(1)建築物その他の工作物の新築、増築、改築など
(2)宅地の造成工事や土地の開墾その他土地の形質の変更など
(3)土石類の採取
(4)木竹の採取
(5)建築物その他工作物の色彩の変更
(6)屋外広告物の表示または掲出
(7)その他歴史的風土の保存に影響を及ぼす恐れのある行為で政令で定めるもの

3.指定地区の土地の行政による買取等

古都保存法で定めた歴史的風土特別保存地区に不動産を有する所有者は、府県知事等により許可を受けることができずに建造物の建築や土地の造成工事が行えない場合は、行政に対して当該不動産の買取を申し出ることができます。
申し出があった場合は、行政は当該不動産の買取ができます。
また、歴史的風土特別保存区域に指定された地区に不動産を所有する所有者は相続税の延納に伴う利子税の軽減や固定資産税が減額もしくは免除されるというメリットがあります。

まとめ

古都保存法について、法律の概要や不動産の取り扱いなどについて簡単に解説しました。
指定区域内に不動産を保有する所有者には、所有する土地を利用する場合にさまざまな制限があることを理解してください。