公簿売買とは

公簿売買とは

公簿売買とは、土地登記事項(登記簿)に記されている面積を売買対象とするものです。
土地登記簿には地積(平米数)が記載されていますが、物件によっては実際の広さと異なっている場合もあります。登記簿に記載されている情報は、例えば明治時代など現在から100年以上前に作成されたものもあります。
そのため、登記簿に記載されているからといって、現況の数値を正しく反映しているとは限らず、むしろ大幅にずれていることさえあります。
公簿売買は、例えば地方で土地の坪単価・平米単価があまり高くないようなエリアの場合に採用されることが多いです。土地の測量には手間や費用がかかるため、実測の結果、地積の増減があっても問題ない、と考えられるようなエリアの場合には公簿売買とされるケースが多いです。

公簿売買と実測売買との違い

一方、「実測売買」という方式もあります。これは、実際に対象の土地を測量し、売買対象の地積や売買価格を決定するというものです。
実測売買では契約後に金額の精算を行う方法もあります。その場合は、登記簿に記載されている土地面積で売買契約を締結しますが、契約後に土地を実測し、その差分によって金額を精算します。この方法を用いる場合には、
実測売買の場合は、実測の手間と費用はかかりますが、トラブルを回避できるメリットがあります。特に都市部などでは、僅かな土地の面積の差によって大きな価格差が生じることもあるため、実測をするケースが多いです。

公簿売買で契約するときの注意点

前述の通り、登記簿の面積と実際の面積は異なる場合があります。公募と実測値にあまりにも大きな乖離がある場合、トラブルに発展するケースがあります。
一般的に、公簿売買とする場合には、「実測の結果、表記の面積と差異が生じても差額の精算は行わない。」という主旨の特約が設けられるものの、買主の立場からすると、実測後に土地の面積が大きく減少してしまった場合、異議申し立てたくなるのも無理はありません。

建ぺい率・容積率への影響

土地の面積が減少してしまった場合に懸念すべきは、建ぺい率・容積率の影響です。
住宅を建築しようと考えて土地を購入した結果、登記上で100㎡と記載されているにも関わらず実際には85㎡だったとします。
容積率が200%の土地だった場合、簡易的に考えると、最大200㎡までの床面積の建物を建築できるはずが、170㎡が床面積の最大値ということになってしまいます。
これがアパートを建築するために購入した土地であれば、30㎡の減少は当初予定していた収支計画を大きく狂わせる可能性さえあります。
土地の面積が減少することは、そこに建築できる建物にも影響するということを念頭に置き、公簿売買か実測売買かを選択する必要があります。