建築協定区域

建築協定とは

建築協定制度は、住宅地としての環境や商店街としての利便を高度に維持・増進すること等を目的とします。
この制度は、土地所有者同士が建築物の建築基準法による最低基準を超えた高度な基準に関する一種の契約を締結するときに、公的主体(特定行政庁)がこれを認可することにより、契約に通常では発生しない第三者的効力を与えて、その安定性・永続性を保証し、住民発意による良好な環境のまちづくりを促進しようとする制度です。国土交通省によると、平成29年3月31日の時点での有効建築協定数は、2399となっています。
第三者的効力とは、契約当事者以外の第三者が当該契約の目的である土地等を取得した時に、その第三者をも契約で拘束する効力を言います。

建築協定の内容

建築協定として締結できる内容としては、その区域内における建築物の「敷地」「位置」「構造」「用途」「形態」「意匠」「建築設備」に関する基準の他、協定の目的となっている土地の区域、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置があります。
協定の内容は、建築基準法に適合する必要があり、土地や建築物の利用を不当に制限してはいけません。
建築協定区域は、市町村が条例で建築協定を締結できる旨を定めた区域となります。

建築協定区域内の制限

建築協定区域内の制限には以下のようになっています。
「敷地」は、土地の分割禁止、最低敷地面積の制限、地盤高の変更禁止、区画一戸建てなどの制限があります。 「位置」は、建築物の壁面から敷地の境界や道路の境界までの距離の制限などがあります。 「構造」は、木造に限る、耐火構造にするなどの制限があります。 「用途」は、専用住宅に限る、共同住宅の禁止、兼用住宅の制限などの制限があります。 「形態」は、階数の制限、建蔽率や容積率、高さの制限などがあります。 「意匠」は、色彩の制限、屋根形状の制限、看板など広告物の制限などがあります。 「建築設備」は、屋上温水設備の禁止などの制限があります。

建築協定の効果

建築協定の締結後は、新たな土地所有者等も協定の内容に拘束されます。
建築協定区域に隣接した土地のうち、将来的に建築協定区域の一部となることが望ましい土地については、「建築協定区域隣接地」を定めることにより、将来的にその土地の所有者が簡素な手続きで協定に参加することができます。なお、建築協定区域隣接地の指定を受けているだけでは、建築協定の制限が及ぶことはないため、注意が必要です。

建築協定区域での手続き方法

建築協定区域であるかの確認方法

マンションや商業地でも建築協定に入っている可能性があるため、不動産が建築協定に入っているかどうかを調べる必要があります。
調べ方としては、Googleなどで「市町村 建築協定」と検索する方法と市町村の都市計画課等に行って用途地域等の調査と合わせて確認する方法があります。まずは、検索して調べてみて、それでもわからない場合に役所の窓口に行くという方法も考えられます。

建築協定の詳細の確認方法

その不動産における建築協定の詳細は、冊子等にまとめられていることが多いです。市町村により異なりますが、建築指導課、都市計画課、開発調整課等のような名前の窓口において資料を入手することが可能です。

建築協定区域内の土地での建築手続き

建築物を建築するには確認申請等が必要となります。建築協定については運営者が個人等である可能性があり、市町村等が具体的な手続きについては定めていないことが多いです。
しかし、運営委員会が建築協定の設立とともに定められています。そのため、市町村の担当課に運営委員会について問い合わせて、計画の内容を説明し、書面等で承諾を得て、確認申請書類に添付することになります。