航空法

航空法について

航空法とは何かご存じですか?
実は航空法は私たちの暮らしにも関係のある法律です。
不動産売買においては、航空法は重要説明事項の一つなのです。
今回は、はじめに航空法とは何かについて解説し、次に航空法ではどのような建物等が対象になり、どのような制限を受けるのかについて、簡単に解説します。
不動産取引における参考にしてください。

1.航空法について

航空法は、あらゆる航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るために制定された法律です。
このように航空機を航行させる際には、航空法を遵守しなければなりません。
法律としては、意外と古く1952年(昭和27年)に制定されました。所管は国土交通省です。
現在は、法律も改正され、航空機の他に無人飛行機(ラジコン機・ドロン)も航行の対象に入っています。
気を付けたいのは、航空法は、航空機や無人飛行機といった航空機等が航行のための制限を受けるだけではなく、航空機の発着場となる空港周辺の土地や建物といった不動産も航空法の制限の対象です。

2.不動産の制限には

空港周辺における建物等の設置制限で検索してみると、「航空法」や「航空外側水平表面」といった言葉がでてきます。
こうして見ると、航空法や航空外側水平表面というものが、空港周辺の建物の制限をしていることが分かります。

2-1.制限の種類

その航空法により、空港周辺の建物等の制限には、次の6種類があります。
(1)進入表面
(2)水平表面
(3)転移表面
(4)延長進入表面
(5)円錐表面
(6)外側水平表面
これらの制限はいずれも航空機が離着陸するためには、空港周辺の一定の空間において航空機の航行の支障となる建物等の障害がない状態にしておく必要があります。
これが空港周辺の制限の種類です。

2-2.制限の具体例には

上記に挙げた6種類の制限により、空港周辺の不動産等は制限を超える高さの建造物、森林またはその他の物件を設置し、植林し、留置はできません。
このように不動産を仲介する場合における航空法は、飛行機の航行に影響を及ぼす建築物や植林、その他の物件は法令で定める基準を超える建造物を建てたり、植林したり、留置できないという「高さの制限」を表しています。
進入表面や延長進入表面など航空法で定める制限は、各空港で差異があり、詳しく調べるためには現地の空港管理事務所で確認する必要がありますが、インターネットで検索し調べることもできます。
航空法の高さの制限の対象となる空港には、陸・海・空自衛隊や海上保安庁の航空基地も含まれますので注意が必要です。
航空法に抵触するような建造物、植林、その他の物件を設置し、植林し、留置した物件はその所有者等に除去を求められる他、罰金に処せられる場合もあります。

3.重要説明事項

不動産取引の仲介を行う宅建業者は、売買の対象となる土地・建物等が航空法における進入表面、水平表面、転移表面、延長進入表面、円錐表面、外側水平表面の範囲内に該当する場合は、重要説明事項として顧客に説明しなければなりません。
この場合は、不動産重要説明書の「航空法」の項目をチェックし制限内容を説明しなければなりません。

まとめ

航空法について簡単に説明しましたがご理解いただけましたか。
不動産取引においては、航空法に該当する物件等は、珍しく、レアなケースですが可能性がないとは言えません。
この機会に航空法についてさらに詳しく調べてみてはどうでしょうか。