区域区分

区域区分とは

区域区分という言葉をご存知ですか?
区域区分とはその名前のとおり、区域を区分した状態です。
では、どうして私たちの住んでいる地域をこのように区分しなければならないのでしょうか?
区分区域とは、都市計画法に基づいて、その計画を実現するために「一定のルールや規定」が科せられた地域のことを言います。
ここでは、私たちの生活の拠点ともいえる地域を、このように分割するような区分区域の制度やルールについて簡単に解説します。
この際に区域区分についてしっかりと理解しましょう。

1.都市計画に基づく街づくり

都市計画は、都市計画法に基づいて行政により作成される計画です。
私たちの生活の拠点となる地域も土地計画により形成されて成り立っています。
それではなぜ「都市計画」や計画を実現するための「一定のルールや制度」が必要なのでしょうか。
考えてもみてください。生活の拠点となる地域になんの規制もなく、自由きまま、好き勝手に「住宅」や「店舗」、「工場」といった建物が無秩序に建てられてしまっては、それこまとまりのない街になってしまうでしょう。
その無秩序な状態を回避するために都市計画法があり、街づくりのための都市計画があるのです。
2.区域区分とはどういうもの
都市計画法に基づいて、行政は都市計画を作成しますが、その都市計画は大きく分けて、
1)都市計画 2)区域区分 3)用途地域 4)地域地区 5)地域計画等
の5つの計画に分けて進められます。
まず都市計画では、都市計画を定める地域を「都市計画区域」に、それ以外の地域を「都市計画区域外」として定めます。
また都市計画区域外であっても、自由気ままに開発や建設が行われると将来、都市として整備する段階で支障が生じる恐れのある地域を「準都市計画区域」として指定します。
つまり区域区分とは、都市計画で定められた都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」の二つに分けることを言います。
区域区分は「線引き」ともという言い方もされますが、線引きの目的とは適正な街づくりのために市街化する範囲を限定することにより無秩序な市街化を防止するためです。
このように都市計画区域は、市街化区域と市街化調整区域に分けられますが、なかには市街化区域市街化調整区域に分けることが難しい区域もでてきます。
このような区域を「非線引き区域」と呼びます。

3.市街化区域と市街化調整区域とは

区域区分とは、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることでしたがこの二つには次のような特徴や違いがあります。
不動産取引における調査においては、当該地域が市街化区域か市街化調整区域のいずれかに該当するのかは極めて重要なポイントです。

3-1.市街化区域

市街化区域とは都市計画法に定められており、適正な街づくりのためにすでに市街化を形成している地域および今後、10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図られるべき地域を言います。

3-2.市街化調整区域

市街化調整区域とは、市街化区域と異なって市街化が抑制される地域を言います。

4.区域区分を定めるのは誰?

各都道府県の都市計画の決定等は知事や市長が行います。
市街化地域や市街化調整区域の区域区分や都市再開発方針など、広域的な見地から判断し決定すべき事項については知事が決定権者となります。
一方、用途地域や地域地区、地域計画等などについては市町が決定権者となります。

まとめ

区域区分について簡単に解説しましたがお分かりいただけましたか。
不動産取引においては、区域区分の取り扱いは非常に重要なポイントです。
市街化区域と市街化調整区域では開発の度合いもまったく異なります。
区域区分についてこれを機会にしっかりと学びましょう。