越境

越境で発生する不動産トラブル

不動産にはトラブルがつきものですが、
中でも、「越境」は、大きな不動産トラブルへと発展しがちです。
また、土地や建物を売買する場合には、越境物を撤去するなど適切な処置をしなかったり、十分な調査を行わなかったりした場合には、損害賠償や契約解除などの問題が発生することも考えらます。
ここでは、不動産物件の越境とはどういうことを指しているのか、トラブルに巻き込まれないためにはどういう対処をしたらよいのかなどについて解説します。
不動産のリスクやトラブルを回避するための参考にしてください。

1.越境とはどういうものなの?

越境(えっきょう)とは、家屋の一部や樹木の根・枝葉、ブロック塀、水道管、ガス管などといった所有物が他人の土地(隣地)に無断で侵入していることをいいます。
逆に他人の土地から自分の土地に侵入していることを逆越境と呼んでいます。
越境している樹木や構造物のことを「越境物」といいます。越境物は目で見てすぐに分かるものもありますが、土地の測量ゃ掘削時に発見される場合もあります。
実は、この越境物が不動産トラブルの大きな原因になるなるのはよくある話です。

2.隣地への越境が認められる不動産を所有するリスク

隣地への越境が認められる不動産を所有することはリスクがあり、隣地とのトラブルの原因になりがちです。
このケースでのリスクやトラブルとは、次のようなものです。

2-1.紛争のリスクやトラブルの原因

隣地とのトラブルの大きな原因の一つが越境物の侵入です。
所有している樹木が隣地の建物の妨げになったり、建物の設備の一部が隣地へと越境している状態は、隣地所有者の所有権を侵害していると評価されがちで好ましくありません。
隣地所有者は、自分の土地が侵害されていることを原因に、越境物の撤去を求められるリスクがあります。
撤去を求められたのに放置していると、隣人同士の紛争のリスクやトラブルへと発展しかねません。

2-2.不動産売却の際のリスク

所有している土地から隣地へ越境物が侵入しているケースは、隣人同士の紛争のリスクやトラブルを抱えているだけではありません。
越境物のある不動産を所有していることは、その土地を売却するうえでも大きなリスクを抱えます。
越境物の対策を何も取らずに、第3者に売却してしまうと、買主との間で問題が発生することもあります。
土地の売買で新たな所有者となった買主は、越境した土地の所有者から越境物の撤去を求められるケースも考えられますが、その場合は、買主から売主へ対して売却時の説明がなかったとして、契約の解除や損害賠償の請求、売買代金の減額を請求されるケースもあります。

3.越境を解決する方法は

隣地への越境の問題を解決する方法は、決して簡単ではありません。
しかし、解決しないままですとリスクやトラブルの原因の先送りでしかありません。
越境の解決には、次のような方法があります。

3-1.越境物を撤去する

樹木の枝や建物の構造物は、剪定(せんてい)や撤去により処分することは可能です。
厄介なのは、相手の土地に埋設された水道管やガス管などの付帯設備の撤去です。撤去には経費が掛かることは覚悟しなければなりません。また隣地の土地に埋設された付帯設備なので撤去工事には隣地の理解と協力は不可欠です。

3-2.越境した部分を買取する

越境物の撤去や処分が難しい場合は、越境している土地の一部を分筆して買い取る方法があります。
この方法ですと、地中に埋設された水道管やガス管などを撤去する必要もなく問題を解決できます。
ただ、越境部分を分筆して譲渡すると、敷地面積が狭くなり建ぺい率や容積率に影響があることは考慮しなければなりません。

3-3.覚書を作成しておく

越境している土地の所有者が第3者に土地を売却する場合には、隣地所有者との間で同意に基づいて覚書を作成しておくのが最善です。
覚書とは所有する土地が隣地へと越境していることをお互いの所有者が納得して、将来、売却や住宅の建て替え時に越境状態を解消することを取り決めた証拠の書類です。
これは越境物の撤去の先送りですが実効性の高い取り決めといえます。

4.越境問題は専門家に相談する

他人の土地に侵入する越境には、境界標が動いてしまったり、亡失したりして境界線がはっきりとしない場合も考えられます。
越境問題の解決には、専門家に相談することをおすすめします。
土地家屋調査士は、土地の境界線(筆界)を越境に関わる調査や測量、境界標の設置など境界トラブルの専門家ですから依頼してみるといいでしょう。
すでにトラブルに発展している境界問題の解決は、弁護士により法的に解決を図るのが最善でしょう。

まとめ

土地の境界トラブルの原因はさまざまです。
他人の土地への越境物の侵入もトラブルの原因の大きな一つです。
越境によるトラブル問題の解決には、土地所有者による話し合いによるのがベストでしょうが、お互いの認識の違いや、主張の食い違いにより訴訟に発展することも十分にありえます。
そのような場合は、法律の専門家により解決するのが最善の方法でしょう。